紅白効果なのか、最近いろんな番組で中島みゆき特集を組んでいる。
今まであまりメディアに登場することがなかったので、
ファン以外の人々には興味深いことだろう。
ただ、内容も様々で好意的なものもあれば否定的なものもあり、
古くからのファンは少なからず心を痛めていたりするのである。
最近の大多数の特集番組で語られるような
地上の星=中年サラリーマンの応援歌、
中島みゆき=その応援歌を歌う歌手、というふうに
一元的に語られる事への反発あるいは危惧を覚えるのである。
中島みゆきというひとは、実に多面的な魅力を持ったひとで
彼女が生み出した数々の楽曲、彼女の発する歌声は実に多種多様で
バラエティに富み、独特の世界を作り出しているのだ。
彼女の楽曲は何度も繰り返し聞くことによってこそ、
その魅力が増すというのがファンの間の評価である。
そもそも流行やブームといったものからは縁遠い存在なのだ。
それが今、「中島みゆきブーム」とも言える現象が起きている。
そのことに古くからのファンの多くはとまどっているのである。
かつて中島みゆきといえば、そのファンであることを周囲に公言すれば
たちどころに「根暗・陰湿・オタク」等々のあまり有り難くない
レッテルを貼られたものである。
そのため、ファンはファンであることをひた隠しにして
夜、自室でこっそりとアルバムを聴いては悦に入っているというのが
おきまりのパターンであった。
それが今や「中島みゆき」の名を知らぬ日本人はまずいないと言えるほどメジャーな存在になってしまった。(いや、もともと音楽界においてはメジャーであったが。)
昔からのファンにしてみたら、今までそっと隠し持っていた心のよりどころを白日の下にさらされてしまったようで何とも居心地が悪いというわけだ。
もちろんみゆきファンが新たに増えるということは、
古参のファンにとっても実に喜ばしいことである。
ただ、願わくば「地上の星」一曲だけでなくアルバムに収められている
数々の名曲もじっくりと聞き込んでもらいたいものだ。
そうすれば彼女の歌が「わかれうた」だの「恨み節」だの
「オヤジの応援歌」だのという
レッテルを貼ることがいかに浅はかなことであるかが分かるだろう。
中島みゆきはまちがいなく日本の音楽史に残る素晴らしい歌手である、
と断言する。
オリコンチャート史上、’70年代、’80年代、’90年代、
’00年代で1位を獲得した唯1人の歌手。
それが彼女なのだから。
(当方熱烈なみゆきファンのため、ふつーの方々には
お見苦しい表現が多々あるかもしれませんが、
どうぞご容赦ください<(_ _)>)
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